地産地消率調査
音更町食のモデル地域実行協議会:平成25年度プロジェクト成果報告
PASO!-Planning for Agriculture Story in Otofuke-
―地産地消アンケート実施結果①―
佐々木達(札幌学院大学)
1.はじめに
音更町は国内を代表する食料供給地域でありながら、町内で生産された農産物の多くは町外あるいは道外へ出荷されているという現状にあります。そこで、音更町では地場産農産物の地産地消に取り組み、農産物の需要拡大と地域住民の健康で豊かな食生活の実現と地域外に向けた発信により消費の拡大を促す先進的な活動を行うため、町、JAおとふけ、JA木野、音更町商工会、音更町十勝川温泉観光協会により実行協議会を設立しました。
今年度は、音更町の皆さんが地元の農業や農産物にたいしてどのような関心や意向を持っているのかについて町民アンケートを実施しました。音更町民の皆さんの中には、地元の農業がどのような特徴を持っているか、どんな農産物が生産され、どのように流通して自分たちに届けられているのかという問いに答えられる方はそれほど多くないと思います。そこで、地域の実態を把握しようという試みとしてアンケートを設計しました。実施したアンケートは、地産地消の取組を推進するための基礎的資料収集として、今後の地産地消推進や食育、6次産業化の施策展開に役立てていきたいと考えています。今回は、音更町民の食料品の購買行動アンケート結果の一部をご紹介したいと思います。
表題の「PASO」とはスペイン語で「歩み」や「道のり」を示す単語です。音更町の食と農の歩みを一歩ずつしっかりと踏み出していきたいという願いを込めています。
2.アンケート調査の対象
・調査期間:平成25年11月25日~12月8日
・調査対象:音更町住民1,000人
対象の選定にあたっては、20代から70代までの音更町の住民とし、年齢、男女、居住地区等の構成比を考慮した上で、層化無作為抽出法※により抽出。
※母集団を調査区分ごとに地域や年齢・性別などの複数の層に分け、各層の人口に応じた比例配分によりサンプル数を定め、そこから無作為にサンプルを選び出す方法。
・調査方法
郵送法により調査対象者に調査票を配布し、返信用封筒により回収した。
・回収状況
有効回答数:380件 有効回答率38.0%
3.回答者の基本属性
回答者の性別については、「男性」が130名(34.2%)、「女性」が241名(63.4)%、「無回答」が9名(2.4%)という結果となりました。年齢構成では、「60代」(29.5%)と「70歳以上」(20.3%)が高い割合を示し、両者で約5割を占めています。次いで「50代」(18.2%)、「40代」(15.5%)、「30代」(13.2%)、「20代」(2.9%)となりました。
職業については,「主婦」が129件(33.9%)と最も多く,次いで「民間企業」が85件(22.4%),自営業23件(6.1%)となっています。「その他」が87件(22.9%)については,年金生活者や無職などが含まれています。
家族構成については、「親と子ども」と答えたのが161件(42.3%)となっており,次いで「ご夫婦のみ」が128件(33.7%)という結果でした。同居している子どもを見ると、「小学生未満」が36件(17.6%)、「小学生」が49件(23.9%)、「中学生」が14.6%,「高校生」が21件(10.2%),「高校生以上」が80件(39%)となっており,回答者の年齢構成を一定程度反映した結果であると言えます。
4.食料品の購買行動
音更町民の食料品の購買行動について見てみよう。買物頻度については,「週に1~2回」が158件(41.6%),「週に3~4回」が147件(38.7%)となっており両者で8割を占めています。購入先については,「食品スーパー」が282件(74.2%)と最も多くなっており,次に「農協系スーパー」が101件(26.6%)と続いています。「農産物直売所」や「生産者から直接」については,それぞれ3.9%,1.3%であり,農業地帯でありながらも低い値となっています。
食料品を購入している理由としては,「品ぞろえの豊富さ」が58.7%,「便利な場所」が52.9%,「食料品以外も一緒に購入できる」が42.4%となっています。また,農産物を購入する際に重視する点としては,「鮮度」80%,「価格」62.9%,「産地」45.5%の3つが割合として多く挙げられています